米国小売業 CSランキング

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アメリカを代表する週刊誌ニューズウィーク(Newsweek)誌が、カスタマーサービスに関するランキングを発表しました。このランキングは、ドイツを拠点とする市場調査最大手のスタティスタ(Statista)社と共同で行ったアメリカの小売りおよびサービス提供企業16業種656社を対象に行ったものです。

過去3年以内に該当企業から商品の購入あるいはサービスの提供を受けたことのある消費者約30,000人を対象に、実際に受けたカスタマーサービスに対する評価を集計し、10点満点で数値化したものです。

主なカスタマーサービスの具体的な評価内容は以下の通りです。

〇コミュニケーションの品質
対面、電話、eメール等での対応が友好的であったか

〇プロフェッショナルな対応力
商品やサービスの内容等についての問い合わせや質問への正確で具体的な案内あるいは回答を、スピーディに受けることができたか

〇サービスの範囲の広さ
期待していたサービスを幅広い範囲で受けることができたか

〇顧客の立場に立ったサービス
重要な顧客として受け入れられていると感じたか

〇アクセシビリティ
期待するサービスを簡単に分かりやすく受けることができたか

調査の対象となったのは実店舗のみ、実店舗+オンライン、オンラインのみなど広範囲な企業が含まれており、16業種それぞれにおいてトップ3あるいはトップ5の企業が発表されました。 

以下スーパーマーケット部門の上位5社およびその他主な業種のランキングです。

◆スーパーマーケット部門

1パブリクス(Publix)9.09
2ウェグマンズ(Wegmans)8.91
3スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market)8.8
4フレッシュ・マーケット(The Fresh Market)8.65
5ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Markets)8.57

パブリクスは今回で6年連続スーパーマーケット部門のトップとなったということで、1930年に1号店をオープンしてから92年間常にお客様第一主義を徹底しており、顧客が購入した商品を駐車場まで運ぶなど徹底したサービスは有名です。

ちなみに、同じくニューズウィーク誌が今年の5月に発表した更に広範囲な視点から、アメリカの代表的な小売企業を評価し、アメリカの最高の小売企業(America’s Best Retailers)をランキングした際にも、スーパーマーケット部門のトップ2はウェグマンズとパブリクスでした。 
こちらのランキングでは、カスタマーサービスの他に、商品の質、店内の雰囲気、店内のレイアウトとアクセスのし易さといった項目で採点したものでした。

参考までにその時のトップ5とスコア(100点満点)は以下の通りです。

1ウェグマンズ(Wegmans)92.25
2パブリクス(Publix)91.67
3ハープス・フードストア(Harps Food Stores)89.62
4スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market)88.38
5ホールフーズ・マーケット(Whole Foods Markets)87.67

様々なランキングでいずれもリージョナルチェーンでありながら、常にトップ争いをするウェグマンズとパブリクスにこれからも注目していきたいと思います。

スーパーマーケット部門以外の主なジャンルの上位企業は以下の通りです。

◆百貨店

1フォン・マウアー(Von Maur)9.22
2ノードストロム(Nordstrom)8.96
3ニーマン・マーカス(Neiman Marcus)8.9
4ブルーミングデールズ(Bloomingdale’s)8.78
5ボスコフス(Boscov’s)8.75

1位と5位に全国展開していない比較的ローカルな店舗がランクインしましたが、昨年はノードストロムがトップで、フォン・マウアーはランク外からのトップに選ばれました。

フォン・マウアーはアイオワ州を拠点とするアップスケール百貨店チェーンで、15州で36店舗を展開してますが、営業時間内のピアノの生演奏サービスで知られており、ギフトラッピングや購入品の無料配送などの顧客サービスが高く評価されました。

◆スーパーストア&倉庫型店舗

1コストコ(Costco)8.78
2ターゲット(Target)8.39
3B’Jsホールセール・クラブ(B’Js Wholesale Club)8.38

コストコは昨年に続きこのカテゴリーでトップに選ばれました。

コストコの最大のカスタマーサービスは、他社商品よりも高品質でありながら低価格を実現している同社プライベート・ブランドのカークランド・シグネチャーの商品力によるところも大きいですが、なんと言っても同社の返品対応が高く評価されています。

顧客満足を最優先にしているため、使用済み・開封済みの商品(食品、家電等なんでも)であっても、気に入らない商品はレシートを見せるだけで簡単に返品・返金が可能です。

また、新型コロナウイルスによるパンデミックが始まると、毎週2日間は60歳以上の顧客を対象に早朝(08:00から)からの買い物を受け入れ、オンライン注文品の短時間配送にも力を入れました。

コストコはその巨大な店舗からより多くの商品を取り扱っているように思われがちです。

しかし、実際はウォルマートが平均142,000個の商品を販売しているのに対し、コストコでは約3,800個の商品を厳選して販売しているように、量よりも質を重視していることも、常に高い評価を得ていると要因と言えます。

他にもディスカウントスーパー部門では、トップはトレーダー・ジョーズ、2位に弊社が以前より注目しているグロサリー・アウトレットが、そして3位にはアルディがランクインしました。

グロサリー・アウトレットについては2020年1月配信のメールマガジン「2020年注目企業!グロサリー・アウトレット」や、今年8月のトレンド・ピックアップ「グロサリー・アウトレット好調継続」でもご紹介しました。

今後も様々な視点からのランキング等、最新の情報をご報告していきたいと思います。

(2022.9.12配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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