英国における食品小売市場は、長年上位4社(ビッグ4)による寡占状態で知られています。
ビッグ4とは、テスコ(Tesco)、セインズベリーズ(Sainsbury’s)、アズダ(Asda)およびモリソンズ(Morrisons)ですが、かつてはこの4社で80%以上のシェアを独占する異常な寡占状態でしたが、英国の市場調査会社大手のカンターワールドパネル(Kantarworldpanel)社がまとめた最新の英国食品小売市場シェア(2022年7月10日までの12週間)調査結果が発表され、4位のモリソンズがビッグ4から陥落の危機となっており、長年続いたビッグ4の構図に変化が起きそうです。
英国小売市場最新のランキングと、10年前(2012年7月)のランキングは以下の通りです。
◆2022年7月市場シェア(ビッグ4シェア 65.1%)
①テスコ 27.1%
②セインズベリーズ 14.9%
③アズダ 13.7%
④モリソンズ 9.4%
⑤アルディ 9.1%
⑥リドル 7.0%
⑦コープ 6.3%
⑧ウェイトローズ 4.6%
◆2012年7月市場シェア(ビッグ4シェア 76.5%)
①テスコ 30.9%
②アズダ 17.3%
③セインズベリーズ 16.5%
④モリソンズ 11.8%
⑤コープ 6.7%
⑥ウェイトローズ 4.5%
⑦アルディ 2.9%
⑧リドル 2.8%
ビッグ4による市場シェアは大きく落ちてきており、代わりにドイツ発のハードディスカウントチェーンのアルディとリドルの大攻勢が顕著となっています。
この傾向は英国以外の欧州各国でも見られ、遠くアメリカでも同様です。
今後も英国の食品小売市場に注目です。