2022年!アメリカ人が好むグロサリーストアランキング

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2018年から毎年年始に発表されている「Retailer Preference Index(RPI)〜好きな小売企業指標」が、ダンハンビー(Dunnhumby)社より発表されました。

同社は英国拠点のグローバル企業で、顧客データ分析によるマーケティングサポート業務を提供しています。

今回の調査はアメリカ国民10,000人を対象に、アメリカを代表する主要65のグロサリー小売企業の中で、最も好きな(評価する)企業について以下の7つのカテゴリーに分けてアンケートを取り、まとめたものです。

◇カテゴリー

  1. 価格
  2. デジタル化
  3. 品質
  4. 店舗運営
  5. スピード(スタッフサービス)
  6. 便利さ
  7. 販促

下の表が最新のトップ10ランキングです。上記7つのカテゴリーで高評価項目を○、低評価項目を×とし、最後に「企業がコロナ禍に注力した項目」が追記されています。

順位企業名価格デジタル品質運営スピード便利販促追記(企業がコロナ禍に注力した項目)
1アマゾン××品質
2H-E-B×スピード、デジタル、品質
3マーケット・バスケット××スピード、品質
4ウェグマンズ×スピード
5アマゾン・フレッシュ×なし
6アルディ××デジタル
7トレーダー・ジョーズ××なし
8サムズ・クラブ×品質、デジタル
9コストコ××スピード、デジタル
10ウォルマート(※)×なし
※ウォルマートはネイバーフッド・マーケットを対象とした評価です。

その他主要企業として11位ターゲット、12位パブリクス、18位リドル、21位ウィンコフーズ、22位ショップライト、23位スプラウツファーマーズマーケット、29位ハイヴィー等がランクインしています。

今回のランキングで最も大きな動きがあったのはトレーダー・ジョーズで、3年前の1位、2年前の2位、昨年の3位から今回7位と大きくランクを落としました。

様々な小売企業ランキングで常に上位に入っているトレーダー・ジョーズですが、新型コロナウイルスにより多くの小売企業がデジタル化にシフトしている中で、一貫して「店舗におけるサービスが全て」、「店舗がブランド」という企業理念の下、デジタル化に背を向けた営業展開を続けています。

ランキングの通り品質とスピードで高評価を得ている一方で、デジタルと便利さにおいて低評価となり、今回の大幅ランクダウンという結果になりました。

コロナ禍が収束した後もトレーダー・ジョーズが現在の店舗至上主義を続けるのか、あるいはデジタル化にシフトをして行くのかについてはダンハンビー社の評価と共に注目していきたいと思います。

一方、昨年初の首位となったアマゾンは、2年連続で首位を獲得しています。パンデミック前から同社が得意としていたデジタルおよびスピードの強みがコロナ禍でさらなる注目を集めた結果となりました。

「世界一のデジタル・ネイティブ企業としての強みが、この2年の結果にがった」とダンハンビー社は述べており、弱点と言われていた商品品質は向上しているという評価を得ています。

アマゾンは先週、アパレルの実店舗「アマゾン・スタイル」を年内にロサンゼルスのショッピングモール‘アメリカーナ・アット・ブランド’内にオープンすると発表したばかりです。

同社独自のアプリやてのひら認証システムを使い、商品詳細や顧客評価の確認、試着、決済からデリバリー予約までできる店舗になる予定です。オンライン上で試着したい商品を選択すると試着室に自動で商品が用意されるため、非接触での試着が可能です。試着室のタッチパネルでサイズ・色違いの商品も選ぶことができ、試着室から離れることなく買い物を楽しむことができます。最新のDX店舗として注目されています。

最近の他調査会社による小売企業ランキングでは、ウォルマートの圧倒的な強さが報告されていましたが(参考:当社メルマガ2021年12月「アメリカで最も信頼されているグロサリーストアランキング」、2021年9月「米国小売企業来店頻度から見る顧客ロイヤルティランキング」)、今回の調査では辛うじて10位にランクインする結果となりました。

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カナダを拠点に市場調査を行っているブランドスパーク(Brandspark)社が、18歳以上のアメリカ人3,200名を対象に10月に行った調査「アメリカで最も信頼できるグロサリーストア」 の集計結果を発表しました。 この調査は、エリア別、業態別および各企業の取り扱う商品の品質やサービス内容について、それぞれランキング形式にまとめたものです。アメリカを代表するグロサリーストア52社を対象としています。 ◆エリア別ランキング 地域1位2位3位4位5位全米ウォルマートクローガーアルディパブリクスコストコ中西部(イリノイ州等)ウォルマートクローガーアルディマイヤーハイヴィー北東部(ニューヨーク州等)ショップライトウォルマートアルディストップ&ショップウェグマンズ南部(ジョージア州等)ウォルマートパブリクスクローガーH-E-Bアルディ西部(カリフォルニア州等)ウォルマートセーフウェイコストコトレーダージョーズクローガー エリア別ランキングでは、ウォルマートが北東部を除いた4つの主要エリアでトップとなりました。 どの店舗で買い物をするかを決めるうえで最も重要なファクターは、価格、品揃えおよび顧客サービスなどですが、豊富な店舗網、EDLP(エブリデー・ロープライス)の仕組みを確立していることによる価格力、スタッフの対応が評価された結果となりました。 ◆業態別 業態トップ企業コンビニエンスストアセブン・イレブンディスカウントストアアルディダラーストアダラーゼネラル、ダラーツリー(同点)自然食品ホールフーズマーケット品数限定店舗アルディ 業態別ではそれぞれの業態で最も信頼できるトップの企業が発表されました。価格の面でウォルマートを凌駕するアルディが2つの部門においてトップに選ばれています。 ◆各企業の商品やサービス内容 商品1位2位3位4位5位ビューティ関連ウォルマートH-E-Bクローガーターゲットマイヤーレジ支払いの利便性H-E-Bウォルマートジャイアント・イーグルハイヴィーショップライト店内買い物体験H-E-Bウォルマートジャイアント・フードハナフォードハイヴィー食品・飲料部門ウォルマートハイヴィーH-E-Bジャイアント・イーグルクローガー精肉部門ウォルマートクローガーマイヤーハナフォードジャイアント・フード加工食品部門ウォルマートウェグマンズH-E-Bハイヴィークローガー生鮮食品部門ウォルマートH-E-Bハナフォードハイヴィークローガーグルメ食品部門ホールフーズアマゾン・フレッシュトレーダー・ジョーズフレッシュ・マーケットコストコセール品部門ウォルマートショップライトパブリクスH-E-Bクローガー健康加工食品部門ホールフーズアマゾン・フレッシュハイヴィーウォルマートアマゾン・ゴー家庭用品部門ウォルマートH-E-Bマイヤーアマゾン・フレッシュアマゾン・ゴー日用品部門ウォルマートH-E-Bクローガーウェグマンズパブリクス店内クリンリネスウォルマートハイヴィーH-E-Bパブリクスクローガー店内セーフティウォルマートH-E-Bハイヴィーワイズ・マーケットクローガー海外商品部門ホールフーズウェグマンズトレーダー・ジョーズショップライトパブリクスロイヤルティ・プログラムクローガージャイアント・イーグルマイヤーウェグマンズショップライト自然食品部門ホールフーズトレーダー・ジョーズスプラウツ・ファーマーズ・マーケットフレッシュ・マーケットアマゾン・フレッシュOTC医薬品部門ウォルマートマイヤージャイアント・イーグルH-E-Bクローガースタッフのサービス、フレンドリーな対応ウォルマートクローガーH-E-Bパブリクスジャイアント・イーグルPB商品部門ウォルマートH-E-Bハイヴィークローガーパブリクス店舗運営ウォルマートハイヴィーH-E-Bジャイアント・イーグルクローガー店舗の新しさウォルマートH-E-Bパブリクスショップライトハイヴィー 各企業の信頼度を商品力やサービスなど22のカテゴリーに細分化したランキングでは、ウォルマートが15のカテゴリーでトップになるという圧倒的な結果となりました。 米国内で4,700店舗以上を展開し、米国民の9割以上がウォルマート店舗から10マイル圏内に住んでいるというスケールメリットは絶大で、週平均1.5億人がウォルマート店舗に来店しているというデータもあります。 近年店舗数を増やさず110億ドル以上を既存店舗の改装および顧客サービス向上のために投資し、顧客の利便性拡大のためのデジタル化に設備投資の70%以上を費やすなどの企業努力がランキングに反映されました。 近年のアメリカの小売市場では、デジタルからスタートして圧倒的なシェアを獲得後、実店舗展開に力を入れているアマゾンと、実店舗でスタートして世界一の売上を誇る小売業となり、デジタル化を急速に進めているウォルマートによる熾烈な競合という構図が注目されており、今後しばらくこの状況は続くものと思われます。 また、テキサスをメインとしたリージョナル・スーパーマーケットチェーンでありながら多くの部門で上位にランクインしたH-E-Bや、中西部で人気のハイヴィーなど注目すべき企業が目白押しです。 これからも最新の現地事情についてご報告していきたいと思います。 (2021.12.27配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)

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