アメリカで発行されている経済紙大手フォーブス社は、「アメリカの新卒従業員にとって最適な企業」(America’s Best Employers for New Graduates)の最新ランキングを発表しました。このランキングは調査会社大手スタティスタ社の協力により集計されました。
アメリカの就職活動は日本と異なる点も多く、即戦力が求められることから大学での専攻やインターンシップを通して得た経験やスキルが重要視される傾向にあります。また、新卒採用枠はなく、一年を通して必要に応じて求人が出されています。部署やポジション別の採用であることも特徴的です。
日本の新卒採用に比べると採用後に感じる“ギャップ”の生じにくい環境下での就職活動ですが、実際に就職して年数の浅い若手社会人はどのような就職先に魅力を感じているのか、トップ10の企業と11位以下にランクインした主な小売企業をご紹介します。(上位250社をランキング)
順位 | 企業 | 業種 |
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1 | ホールフーズマーケット(Whole Foods Market) | 小売業(スーパーマーケット) |
2 | トレーダージョーズ(Trader Joe’s) | 小売業(スーパーマーケット) |
3 | アドバンスドテクノロジーサービス(Advanced Technology Services) | ビジネスソリューション |
4 | メルク&カンパニー(Merck&Co.) | 製薬 |
5 | カーニバル(Carnival) | 旅行・レジャー |
6 | エドワーズライフサイエンス(Edwards Lifescience) | ヘルスケア機器およびサービス |
7 | セフォラ(Sephora) | 小売業(コスメ) |
8 | シスコシステムズ(Cisco Systems) | IT |
9 | ファイザー(Pfizer) | 製薬 |
10 | ハートフォード(The Hartford) | 保険 |
12 | クイックトリップ(QuikTrip) | 小売業(コンビニ) |
21 | パブリクス・スーパーマーケット(Publix Super Markets) | 小売業(スーパーマーケット) |
58 | ベストバイ(Best Buy) | 小売業(家電) |
64 | コストコホールセール( Costco Wholesale) | 小売業(会員制ホールセール) |
87 | エイチ・イー・バット(H-E-B) | 小売業(スーパーマーケット) |
94 | クウィックトリップ/クウィックスター(Kwik Trip/Kwik Star) | 小売業(コンビニ) |
95 | ウェグマンズフードマーケット(Wegmans Food Markets) | 小売業(スーパーマーケット) |
109 | ノードストローム(Nordstrom) | 小売業(百貨店) |
161 | イケア(IKEA) | 小売業(家具) |
174 | アマゾン(Amazon) | 小売業、インターネットサービス |
206 | ホームデポ(Home Depot) | 小売業(ホームセンター) |
このランキングは、1,000人以上の従業員を抱える企業で働く社会人歴10年未満の従業員20,000人を対象に、コロナ禍に見舞われた3月から6月に実施された調査結果で、この危機的状況下における各企業の対応が今回のランキングに大きく影響していると思われます。
評価基準は、職場環境の安全性、報酬、昇進の機会、多様性と包括努力の効果、在宅勤務対応等の評価にベースに、企業を他の人に推薦する際、自社以外の組織を指名する割合も踏まえ、最も称賛を受けた250社がランクインしています。今回のランキングでは、昨年で39位だったホールフーズマーケットが、昨年1位のトレーダージョーズを抜き、初めて1位になりました。コロナ禍における特別ボーナスの支給をはじめ、店舗エリアのコミュニティにおける雇用機会の創出やボランティア活動への参加、環境に優しい経営と商品の提供等への取り組みが評価された結果です。
その他の上位企業を見てみると、昨年37位だったメルク(製薬会社)が4位にランクインしています。
その要因は、コロナ禍における100%の雇用維持と、約500人の学生や新卒者にインターンシップやリモートワークの機会を提供し、90名を新規採用したことがあげられます。
一方、昨年226位だったカーニバル(旅行業)はクルーズ客船の運航会社であり、コロナウイルスによるパンデミックを引き起こし、従業員の給与削減など財政難に陥ったにも関わらず、5位にランクインしています。
調査によると、従業員に対する福利厚生やキャンプカーニバル(従業員の子女対象のデイケアおよび教育プログラム)や従業員研修の充実がランクインの要因となっています。
コロナ禍に伴い、企業の業績が悪化したり、従業員の健康安全、生活の保障が脅かされています。
その対策を講じている企業が上位にランクインしている一方で、近年の新卒者にとっての企業の魅力とは、その企業で働くことによる影響力や、自身が成長できる場所を求めているのではないでしょうか。
新卒者の価値観を知ることは、企業が人財を確保するためにも不可欠であり、ランキングの常連企業になることで、企業イメージのアップにもつながります。
コロナ収束後の動向も含め、引き続き注目していきたいと思います。(2020.11.13配信/記事作成:イオンコンパス(株)営業戦略部)