アメリカの流通・小売りの専門誌のチェーンストア・エイジ(Chain Store Age)社が7月25日に発表した、経験型で注目されている米国の商業施設トップ5をご紹介します。このランキングは、同社の読者を対象に調査されたもので、大型のショッピングセンター以外の施設もノミネートされています。
1位 【ロサンゼルス】ウェストフィールド・センチュリー・シティ(Westfield Century City)
ロサンゼルスのウェストフィールド・センチュリー・シティは1964年にセンチュリー・スクエア・ショッピングセンター(Century Square Shopping Center)としてオープンし、2002年にウェストフィールドがオーナーとなりました。その後、2004年と2009年の大規模改修が行われ、センター名も現在のウェストフィールド・センチュリー・シティ(Westfield Century City)となりました。2015年に更に約10億ドルを投入し、よりアップスケールなショッピングセンターへの大規模リノベーション工事が始まり、最も古いゲートウェイ・ウェスト・ビルディング(Gateway West Building)とメイシーズ(Macy’s)のエリアを取り壊し、新たに2層および3層の小売りスペースを建設しました。また、新たな旗艦店舗として、2フロアのメイシーズが2017年4月、3フロアのノードストロム(Nordstrom)が2017年10月、更に西海岸初のイータリー(Eataly)が2017年11月にオープンしています。他にも、高級フィットネスクラブのエキノックス・フィットネス(Equinox Fitness Club & Spa)など、物販以外のテナントも入居しています。また、事前に専用アプリでパーキング予約をすることで、入場チケットを受け取ることなく、入庫から支払いまでオンラインで完結する「スマート・パーキング」を導入するなど、シームレスなサービスの提供も行っています。
ウェストフィールドのリーシングの責任者(VP)であるデビッド・ラディック(David Ruddick)氏は、「センチュリー・シティをロサンゼルスの小売業の拠点としたい」と話し、更にセンチュリー・シティを「小売りのリゾート」と表現しています。ハリウッドからも至近に位置しており、ショッピングのデスティネーションとしてだけでなく、ファッションショーやコンサートなど、様々なイベントのハブとしても注目されていることも、1位となった要因かもしれません。
2位 【ヒューストン】リバー・オークス・ディストリクト(River Oaks District)
マンハッタンのフィフス・アベニューを凝縮したような商業施設ですが、コンシェルジュ・サービスや、「スマート・パーキング」なども取り入れられており、ヒューストニア・マガジン(Houstonia magazine)社は「すばらしいライフスタイル・デスティネーション」と評価しています。
3位 【オハイオ州 ウェストレイク】クロッカー・パーク(Crocker Park)
クロッカー・パークは2004年にオハイオ州のウェストレイクにオープンした複合商業施設です。オフィススペース、ホテル、高級アパート、レストラン、ショップなどが欧州の街のように並んでおり、IMAXシアター、アンソロポロジー、トレーダー・ジョーなどの小売店も軒を連ねています。
4位 【テキサス州 プラノ】プラノ・マーケット・ストリート(Plano Market Street)
ダラス郊外のプラノに位置するセンターです。旗艦店であるスーパーマーケットのマーケットストリートのほかに、ジムやヨガ、テコンドー等のフィットネス施設が充実しています。
5位 【カリフォルニア州アーバイン】
ロサンゼルス郊外のアーバインにあるリージョナル・ショッピングセンター(RSC)です。アメリカ最大級の大きさを誇る「サウスコースト・ プラザ」の商圏内に位置しながら、サウスコースト・プラザには希薄なエンターテインメントという分野に目をつけ、レストラン街、ゲームセンター、物販専門店を充実させてきた商業施設です。現在では年間1,700万人もの人々が訪れる一大ショッピングセンターとなりました。
ランキング1位に選ばれたウェストフィールド・センチュリー・シティは、現在募集中の流通視察セミナーにて訪問予定のショッピングセンターです。興味のある方はぜひツアーへのご参加をご検討ください。
(2018.07.31配信)